遺伝子組み換え種子についての考察1

10月中旬に収穫適期を逃して大きくなり過ぎたズッキーニを摘果して追熟させておいた。

1ヶ月も日陰に置かれた特大サイズのズッキーニの中は、腐敗臭もせず、真白な綿で埋め尽くされていた。

少し早かったかも知れない。

でも、綿をほぐして中を見てみると、身も重量も充実した種子が採れた。

 

皆さんも家庭菜園等で収穫期を逃した野菜などがあれば、そのまま熟させて採種してみると面白いですよ。特に充実した実をつけたゴーヤなどの瓜類は、簡単なのでおすすめです。

 

ホームセンターの一角で袋に入って「売っている」種子だけが「種」ではないですからね。

 

たねについて考えるととても複雑な気持ちになる。皆さんも今度ひまなときにでも、そのホームセンターで売っている種子の袋の裏を見て下さい。普段何気なく食べている野菜や「京野菜」の種の生産地は「アメリカ」だったり、東南アジアだったり、あるいはヨーロッパだったりします。国産種子は非常に少なくて、国内に種苗メーカーはたくさんあるのに輸入ものってどういう状況なのかと考え込んでしまいます。

 

 

どうしてこういう事が起こるのでしょうか。

 

現在、農業の現場で使われる種子(つまり市場に出回っている食品)の殆どは耐病性などを身につけた交配種です。この種子は、1度の生命を全うするために特殊交配されたりしていて、次世代(すなわち親から子の世代)の生長に異常が起こるとされています。だから一度買った種は1世代の生長部分を我々人類や家畜類が食べるためにのみこの世に存在します。次の年に新しい種子を買う事は現在の農業では常識となってしまっています。業界では、この事を「種子更新」と言います。

 

これに対し、伝統野菜などと呼ばれる地場野菜は、何十年、何百年といった歳月をかけてその地の気候や天候などに適合してきたもの。お百姓がながーい時間をかけて選抜してきた種なのです。

 

特に生育の旺盛なものや大きな果実をつけたもの、というように。

 

時には突然変異が起こったりもします。まったく見た事もない色の花を咲かせたり、果実の形が変わる事は稀にあるようです。そこから新品種が生まれたりするのです。

 

しかし、こういう伝統的な種は現在希少品で、田舎のたね屋に行っても、棚に並んでいるのは大手種苗メーカーの種子ばかりで伝統的な種を目にする事はほとんどないのです。

 

秋田で行なわれている種苗交換会という伝統的な行事は昔、良質な種子を交換し合う場であったと思うのですが、今は、大型農機のショッピングセンターのような有様です。

 

最近の事実として、F1(一代交配)の種でも、何年も自家採取、更新を繰り返せばその地に根付いた作物になるという事が知られてきているそうです。

 

自給的な生活を目指すならば、いちいち毎年の種子を買って育てるよりも、長い時間をかけて、自分の種を育てるというのが理にかなっていておもしろいでしょう。

 

問題となるのは、大規模農業における種子更新の常識です。大規模農業となると、農作業の簡略化と、一つの作物の一元管理が必須である事から、病害の発生の少ない耐病性種子の使用は免れない。

 

すなわち「化学肥料の多投」、そして「農薬の使用」と強く結びつき、1つの解を導く方程式の因子となっているようです。今にはじまったことでなく、これからの食料争奪世代において、「遺伝子組み換え種子」の存在を危険視しています。日本ではあまり知られていないのですが、それらの種子のひとつひとつに特許が与えられ、伝統的な種をつぶす勢いがあります。

 

最近話題の遺伝子組み換え大豆、遺伝子組み換えとうもろこしなどの種子は、ある除草剤を使用すると、雑草は枯らすが、その作物には効果がない、というようにアメリカの大手農薬メーカーが遺伝子操作した種子の一例です。

 

遺伝子組み換えとうもろこしなどは主に家畜の餌となるので、牛や豚などの肉には、恐ろしい変化が起きているはずです。日本における家畜の餌は76%以上輸入です。(農水省)http://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/lin/l_siryo/index.html

 

コメは、現在のところかろうじて企業の種子支配闘争に巻き込まれずに、自給しているようです。

 

FTA(自由貿易協定)の指針いかんによって、コメの種子が遺伝子組み換えになる懸念は消えません。また最近の、新規需要米は家畜米づくりですので、いずれ、遺伝子組み換え種子の普及が目論みとしてあるのかもしれません。

 

現在の日本の食品についての表示義務では、種子についての事実を知る事は難しい状況です。

スーパーで買い物をするようになった、あるいは外食に頼るようになったこの国の食生活と生産現場の動きは連動しているので、これは市民的な問題です。

 

遺伝子組み換え種子を万に一でも混入した食品に表示を義務づけるよう、求めます。